私は練馬区議会自由民主党を代表して、議案第１１８号・平成１２年度練馬区一般会計歳入・歳出決算ならびに議案第１１９号から議案第１２４号までの６特別会計の歳入・歳出決算について原案に賛成の立場から意見表明いたします。議員各位のご賛同を願うものであります。 　輝かしい希望の世紀が幕をあけました。しかし、米国における同時多発テロ事件は、２１世紀の平和を願う人類の夢を一挙に打ち砕いたのです。発生から１ヶ月が経過し、懸命の救出活動にもかかわらず、今なお、４８００人を超える方々が行方不明とのことであり、一刻も早い救出を願うばかりであります。その後の炭疸菌事件も生物化学兵器との疑いが強く、世界中の人々を恐怖に陥れております。この卑劣で憎むべきテロ行為は、自由主義に対する重大な挑戦であり、断じて許すことができません。今こそ、私たちは日本国民として力を一つにしてこの難局に立ち向かわなくてはならないのではないでしょうか。 　一方では明るいニュースもあります。 　皇太子妃殿下のご懐妊が発表されました。ご無事のご出産を国民一同、心よりお祈りいたしたいと思います。ノーベル化学賞も２年続けての受賞であり、日本の学術研究レベルの高さを世界に証明してくれました。野依教授の今後一層のご活躍をご期待申し上げます。 　さて、わが国の経済情勢は、日銀が１日に発表した９月の短観によると下期が減収の見通しとなり、今年度の実質ＧＤＰはマイナス１％の見込みとのことであります。しかし、不良債権処理を中心とした構造改革と金融政策金融政策を同時に進めることができれば、来年度は、プラスへと転じることが可能であるとの見方であります。そこで、小泉総理の聖域なき構造改革を早期に着手し、全精力を不良債権処理に傾注すべきことをまさに、求められております。ただし、失業率の５％乗せや日経平均株価がバブル後最安値を更新するなど次々と節目となる水準を超えてきたことは消費マインドに悪影響を及ぼしていることも事実であります。 　さて、わが練馬区におきましては、第２次行政改革の中間年を迎え、使用料の見直しの実施に向けた具体的な提案がなされ、税などの収納率の向上に向けた今後の取り組みも示されたところであります。特に、区の債権管理の条例制定も視野に入れた未収金の収納促進を図ることについては、以前からわが会派が提案してきたとはいえ、当局のご努力は高く評価するものであります。今後も区民の利便性の向上に向け、行政評価制度の導入を一つの到達点として、更なる行政改革への取り組みに邁進されることを強く要望いたします。 　一方、区内産業においては景気低迷が続く中、２１世紀の幕開け記念事業として「みんなで選ぶねりまの名品２１」については地元産業の独自商品を育成することにも繋がり、高く評価するところであります。また、不況対策特別貸し付けの継続と共に、わが会派が提案いたしました、いわゆる狂牛病の影響により、売上が減少したり、経営が悪化している中小企業者を対象とした狂牛病特別対策融資制度を１１月１日より開設されることは、産業界の動向を的確に捉えた対応であり、大いに評価するところであります。 　そして、政府が都市再生の整備を重点施策として掲げている以上、大都市東京のまちづくり・道路整備は、今後の最大事業の一つであります。当然区内においては、大江戸線の大泉学園町への早期延伸であります。そして、すでに、３０年以上凍結されていた外郭環状道路の南伸の実現とともに、外環通過地域のまちづくりに対して積極的に支援体制を検討されていることは、高く評価するものであります。 　はじめに、決算全般について申し上げます。財政構造の弾力性を計る平成１２年度の経常収支比率は､８５.４％と前年度より４ポイント下回っているものの、依然適正水準と言われている８０％を超えております。このことは、財政構造が硬直化し、弾力性が失われつつあることが明らかであり、区民の新たな需要に柔軟に対応することが困難となるわけであります。今後、適正水準への一層の努力を要請いたします。普通会計歳出決算に占める義務的経費の構成比は５４.５％で､その内訳構成比は人件費が２８.４％で、１.１ポイント前年を上回り、扶助費が１６.６％で４.４ポイント下回り、公債費が９.５％で０.４ポイント下回っております。こうした指標を見る限り、ゆるやかながら区の財政構造は健全化に向かっているといえます。もちろん、どの比率も望ましい水準に達しているわけではありませんので、中長期的な視点から財政運営に努められるよう要望いたします。 　なお、今回の決算審査から第３回定例議会に前倒しとなりました。決算審議の内容が直ちに翌年の予算編成に反映することが可能となったわけで、大変有意義なことであります。当局のご努力に深く敬意を表します。 　次に、これらの決算状況を踏まえつつ、区財政の健全化、区民福祉の向上、区内産業の振興の観点から、各款ごとに意見と要望を申し上げます。 はじめに、総務費について申し上げます。 １. 西館１０階の喫茶「がむしゃら」を健常者との触れ合いの場としてまた、災害時の安全対策を図るうえからも一階に移設されたい。 ２. 避難拠点に指定されている各学校の備蓄倉庫を１階に移設されたい。 ３. 地域の出張所・学校・病院等の施設と防災センターとの交信体制を構築し、充実を図られたい。 ４. 消防団に対して非常時に必要な携帯備品程度の準備をされたい。 ５. 出先機関職員の接遇態度を改善されたい。 ６. 庁内ＬＡＮの構築とともに、西庁舎議会棟へも同様の整備を推進されたい。 ７. 中央電算処理の外部委託を推進されたい。 ８. 電子区役所構築に向けて、区民にわかりやすい効果を提示されたい。 ９. 電子区役所を構築される中で、ホームページ上に区民の意見を収集できるシステムとされたい。 10. 本庁舎と西庁舎とを結ぶ６階部分に屋上緑化を試行されたい。 11. 区報の設置場所として、多くの区民の目にとまる商店街の店舗も活用されたい。 12. 新聞未購読者に対する区報の発送方法を研究されたい。 次に、区民費について申し上げます。 １. 納税通知書および督促状等の郵送料を更に、削減されるご努力をされたい。 ２. 収納率の向上に向けた管理職の取り組みに対して、収納効果を報告されたい。 ３. 税などの悪質な滞納者に対して住民サービスの停止など罰則を設けられたい。 ４. 税などの滞納については早期に対策を講じられたい。 ５. 収納部局に専門知識を有する非常勤職員などの配置を検討されたい。 ６. 職員研修の一環として、税などの徴収業務を取り入れられたい。 次に、産業経済費について申し上げます。 １. 商店会イベント事業に対する区の助成を現在の２回からその回数を増加されたい。 ２. 各商店会からイベント企画に対して意欲ある人材を区全体として把握し、組織化されたい。 ３. チャレンジ・ショップ事業を更に推進されたい。 ４. 各商店においてＩＴを活用して、販売促進に結びつくような取り組みを推進されたい。 ５. 地域商店会にエコマネーを導入し、地域の活性化を図られたい。 ６. ねりまの名品２１を継続するとともに、更に話題性を生じるようＰＲを進められたい。 ７. ねりまの名品２１を区の観光施策と結びつけ、産業の活性化を図られたい。 次に、福祉費について申し上げます。 １. 福祉関連の外郭団体の活動においても中立公正な立場を維持されたい。 ２. 介護予防事業としての生きがい対応型デイサービスを地域偏在の出ないよう民間事業者・民間施設も活用されたい。 ３. 高齢者福祉電話の利用者が減少してきているので、事業の見直しを図られたい。 ４. 友愛訪問派遣事業も今後見直しの方向で、検討されたい。 ５. ケアーマネージャーが家族の代行として可能な業務について周知徹底されたい。 ６. 特別養護老人ホームの待機者数は実情にあった人数を把握し、計画策定に活用されたい。 ７. 重症心身障害者の通所施設の設置を都に要請されたい。 ８. 心身障害者福祉センターの機能拡充に合わせて重症心身障害者のスペースを確保されたい。 次に、保健費について申し上げます。 １. 健康増進センターの事業内容も含め、見直しを図られたい。 ２. 保健所が行う乳児検診のお知らせに育児に悩む母親へのアンケートを実施されたい。 次に、児童青少年費について申し上げます。 １. 学童クラブ職員の役割や運営について見直しを進め、待機児童の解消に努められたい。 ２. 学童クラブの保育料については口座振替を入会条件とするなど、未納対策に努めるとともに、保育料の見直しを検討されたい。 ３. 学校週５日制の移行に備え、放課後および土曜日における児童の安全な居場所づくりを推進されたい。 ４. 学校完全週５日制において、児童館の館内・館外事業の充実に努められたい。 ５. 子育て支援の「にこにこ」を増設するとともに、「ぴよぴよ」・「にこにこ」の利用時間の延長を検討されたい。 ６. 「にこにこ」または同様の事業に対して、保健婦の相談事業を取り入れられたい。 ７. 児童虐待の対応は関連する各部が連携を取り、情報の一元化に取り組まれたい。 ８. 一人親家庭のホームヘルプサービスの充実と父子家庭に対する一層の支援をされたい。 ９. 児童扶養手当の事務移管に伴い、財源措置について都に要望されたい。 次に、環境建築費、清掃費について申し上げます。 １. 水辺ふれあいの拠点の整備を図られたい。 ２. 区立大泉町公園のビオトープの整備に努められたい。 ３. 水辺に触れ合える公園の整備を進めるとともに、蛍が復活できるよう環境の整備にあたられたい。 ４. 都条例により使用が禁止された小型焼却炉の収集処分については積極的に取り組むとともに、新たな補助策を検討されたい。 ５. 春日町第２リサイクルセンターの運営については、地元町会・自治会・商店会の参画を図られたい。 ６. 「ねりまエコ・アドバイザー」においては、町会・自治会・商店会からの参画を募り、それぞれの地域活動が展開できるよう育成されたい。 ７. 区が環境マネジメントシステム（ＩＳＯ１４００１）の認証取得を契機に、今後の環境対策を全庁的に区政に反映されたい。 ８. 区民に身近な清掃事業を確立するためにも、より一層、キメ細かな対応をされたい。 ９. 清掃事業の財源については、区の財源の持出しがないよう今後とも分析・研究されたい。 10. 清掃車の交通事故防止に向けた抜本的な対策を講じられたい。 11. 集団回収のＰＲを区として支援すると共に、集団回収の新たな実施地域を開拓されたい。 12. 集団回収を実施していることを示す旗を配布するなどして、抜き取り業者を排除されたい。 次に、都市整備費について申し上げます。 １. 大泉学園駅周辺の交通導線、１３５号線と１５６号線の交差部周辺の渋滞解消に取り組まれたい。 ２. 昭和６３年に整備計画された生活幹線道路で未完成の１１路線について早期に着手されたい。 ３. 計画策定により今だ手つかずの生活幹線道路は、見直しをされたい。 ４. 区営住宅の運営収入を確保するため、空きスペースに駐車場を設置されたい。 ５. 西武池袋線の連続立体交差事業を早期に着手されたい。 ６. 石神井公園駅の再開発事業に伴い、駅周辺のまちづくりに積極的に取り組まれたい。 ７. 開発事業等の実施は街の景観に配慮されたい。 次に、土木費について申し上げます。 １. 大泉学園町４丁目の関越自動車道側道の車止めを撤去されたい。 ２. 閉鎖が予定されている東大泉自転車集積所の代替施設として西武新宿線の上石神井駅もしくは武蔵関駅周辺に設置されたい。 ３. 撤去自転車の返還手数料については受益者負担の観点から見直されたい。 ４. 自転車駐車場の一回利用のコイン式をプリペイドカード方式に改められたい。 ５. 自転車誘導員は、放置自転車対策に有効なことから今後も誘導員を配置されたい。 次に、教育費について申し上げます。 １. 空き教室のない児童数の多い小学校対策として通学区域の自由化・８条申請の運用も含め、早急に検討されたい。 ２. 一学年一クラスの小学校の再編・統廃合も視野に入れ、過少校の検討をされたい。 ３. 特色ある学校づくりを進めるためにもやる気・企画力のある学校への配当予算を考慮されたい。 ４. 学校の公立離れを防止するためにも通学区域の自由化を念頭に置き、学校間競争・学校選択が行われるような環境づくりに着手されたい。 ５. 教科書採択に当たり、採択権者である教育委員に対して一部の常識を超えた政治介入を許さず、中立・公平な教科書採択が行われる環境整備を図られたい。 ６. 学校警備においては、コストの削減とサービスの充実を図る観点から見直しをされたい。 ７. 天然記念物である練馬東小のフジの木が開花するような管理をされたい。 ８. 児童生徒の安全管理の面を学校全体で取り組まれたい。 ９. 職員室が２階にある学校は、子供たちの管理の面から可能な限り１階とされたい。 10. 米飯給食のお米の購入は、地元の米穀商組合員から購入されたい。 11. 光が丘地区にある４ヶ所の区立幼稚園は、整備・統合または、廃止に向けて検討されたい。 12. 私立幼稚園の補助については、更に充実をはかられたい。 13. 平成１４年度からの学校週５日制の導入により、児童生徒の学力低下を招かないよう教育委員会の主導的指導をされたい。 14. 中村地区の地域体育館の早期整備に取り組まれたい。 15. 小中学校の校庭に雑木林をつられたい。 16. 児童生徒が自然科学を体験できるよう、武石少年自然の家に天文台を設置されたい。 最後に、歳入ならびに、特別会計について申し上げます。 １. 密集市街地整備事業において魅力あるまち並み形成に向けて、推進されたい。 ２. ＮＰＯや社会貢献団体に対する支援と支援システムの構築をされたい。 ３. 社会資本整備において複数の事業者から選択できるような公平・公正な仕組みを構築されたい。 ４. 国民健康保険の保養施設の利用実態を把握し、事業の見直しを検討されたい。 ５. 国民健康保険と老人医療に関するレセプト点検専門組織の充実を図られたい。 　以上、平成１２年度の決算審査については、評価するところは評価し、指摘すべきところは指摘し、意見と要望を申し上げ、平成１２年度練馬区一般会計歳入・歳出決算ならびに各特別会計歳入・歳出決算の認定に賛成するものであります。区長はじめ各理事者におかれましては、わが会派の発言主旨、要望事項について十分にご理解頂き、平成１４年度の予算編成に生かされるよう強く望み、練馬区議会自由民主党の意見表明と致します。 　ご静聴有難うございました。 　平成13年10月19日